木目がはっきりしていて美しい「シオジ」で作られている、総無垢材のチェストです。

戦前のもののようです。

古いものでも、引き出しの底板や、本体の裏側の背板などには、合板が使われることが多いのですが、このチェストは、それらも全て、木の薄い板で作られています。

しかし、無垢の木は、製材されて、家具などに加工された後も、呼吸しているのです。湿気を吸って膨らみ、乾燥すると縮む・・・ということを繰り返して、長期的には、少しずつ乾燥して、少しずつ縮んでいます。

このチェストの引き出しの底板には、檜（ひのき）の5㍉程の薄い板が使われていますが、何十年と経てきて、縮んで割れてしまっていました。割れたことによる隙間は、5㍉程あるものもあり、新しい木で埋めたり、継ぎ足したりして、割れによる隙間を補修しました。（底板の補修については、ブログにまとめました）

2段目より下の、幅の広い５つの引き出しは、鍵で閉めることができます。鍵穴は、埃よけと装飾のための丸い蓋が付いています。この丸い蓋をスライドさせると、鍵穴が現れます。丸い蓋には、小さな花（？）が彫ってあって、目立たないですがカワイイです。

そして、特筆すべきは、珍しく施錠する鍵があります！！（無くなってしまうことが多いので、ちょっと奇跡的です。）

鍵は1本で、全ての引き出しに対応します。（鍵の確認をしたところ、全て施錠することができました）

 ●サイズ（若干の誤差はご理解ください）

高さ　1070㍉、幅　908㍉、奥行き　408㍉+15㍉（取っ手）

○引き出しの内部の寸法

【1段目の2杯の引き出し】深さ　95㍉、幅　385㍉、奥行き　334㍉

【2段目・3段目】深さ　109㍉、幅　823㍉、奥行き　339㍉

【4段目】深さ　124㍉、幅　825㍉、奥行き　370㍉

【5段目】深さ　124㍉、幅　824㍉、奥行き　339㍉

【6段目】深さ　140㍉、幅　817㍉、奥行き　370㍉

●問題はないのですが、気になるところ

• 一番下の引き出しの、鍵穴を覆っている丸い蓋ですが、鍵穴をふさいでいる状態をキープするための小さな突起が折れてしまっているので、いつも開いた状態になってしまいます。（鍵は、問題なく施錠、開閉することができます）