このキャビネットを見て、東ヨーロッパ風にも見えるとおっしゃる方もいらっしゃいました。

70年ほど前には、とてもモダンなデザインだったんでしょうね。

総無垢材の飾り棚付きのキャビネットです。

扉に施されたデザインは、グラデーションに塗装された、ラワン材の板片を組み合わせて作られています。 

手作りで、とても丁寧な仕事です。また、扉の取っ手も、このキャビネット用にあつらえて作られたようで、ちょっと不思議なかわいいデザインです。真鍮が、とてもいい感じにくすんでいて、一層レトロな趣です。

丁寧だなぁ…と、感じる点は、他にもいろいろありました。

その一つは、扉付きの家具は、大概、扉の内部は、塗装されていないことが多いのですが、扉の内側も、棚の内部もしっかり塗装されているのです。

また、背板の取り付けも、後ろからペタッと取り付けていることが多いのですが、溝にはめ込むようにして取り付けられています。

当時はモダンなデザインが、今は、それがかえってレトロですね。

 ●サイズ（若干の誤差はご理解ください）

高さ　1220㍉、幅　785㍉、奥行き　295㍉+21㍉（取っ手・つまみ）

○扉の内部の棚の寸法（棚板は取り外せますが、位置は変えられません）

【向かって左側】高さ：上から、263㍉、260㍉、270㍉

幅　305㍉、奥行き　232㍉

【向かって右側】高さ：上から、269㍉、274㍉、277㍉

幅　425㍉、奥行き　240㍉

○飾り棚の寸法

高さ　235㍉、幅　438㍉（間口は365㍉）、奥行き　275㍉

○引き出しの内部の寸法

【上の段】深さ　78㍉、幅　273㍉、奥行き　245㍉

【下の段】深さ　108㍉、幅　275㍉、奥行き　241㍉

●使用上、問題はないのですが気になるところ

• 全体に、キズや欠け、塗装の剥がれ、金物のサビなど、長い間使われてきた事による小さな「シルシ」が、たくさん見られます。しかし、どれも問題のあるダメージではありませんので、古いものの「味わい」としてご理解ください。
• 扉を施錠するための鍵はありません。