世界遺産の春日大社では、20年に一度の「式年造替(しきねんぞうたい)」の年を迎えています。
「式年」とは、定まった一定の年限、「造替」とは、社殿を造り替えるという意味です。
伊勢神宮などでは、「式年遷宮」と言って、神様が古い社殿の隣に造られた、新しい社殿にお引越しをされますが、春日大社では、本殿の位置は変えずに建て替えるので、「造替」と言います。
建て替えの間、神様には西隣の「移殿(うつしどの)」に一時、移っていただくそうです。
神様が、ご本殿にいらっしゃらないこの期間に限り、通常は非公開の国宝のご本殿を拝観することができます。
ご本殿の立つ場所は、神域なので、本来は皇族の方や神職の方しか入れないそうです。
こちらは、ご本殿を囲む回廊の建物です。
この中にご本殿が…。普段は、もっと手前の幣殿の手前からしか参拝できません。ということは、かなり「特別」です。
しかし、ご本殿にカメラを向けるのは不敬に当たるので、撮影は禁止されています。
ですので、ご本殿の様子は、パンフレットから。
武甕槌命(タケミカヅチノミコト)、経津主命(フツヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)という4柱の神様が祀られています。
代表的な神社建築の一つの「春日造り」の4つの社殿が、横一列に並んでいます。
社殿と社殿の間の壁には、「絵馬」の原型と言われている、獅子や神馬が描かれていて、雅やかです。
ご本殿の特別公開は、拝観料1,000円。
式年造替特別記念品が付いています。
二十年に一度しか拝観することができないご本殿です。間近で見ることができて、幸せな気分になりました。
いただいた記念品の中身は、「三笠香」というお香でした。
天然の漢方香料、龍脳、白檀、桂皮、丁子等を配合した小型の匂い袋です。とてもよい香りがします。
春日大社は、お清めに「香」を用いる、稀な神社だからだそうです。
ご本殿の特別拝観は、5月31日までです。
※5月12日付の新聞で、ご本殿の特別公開が、6月30日まで、1カ月延長されたと発表されていました。
そして、式年造替限定のご朱印が発案され、神様がご本殿に戻られるまでの期間限定で授与されるそうです。
普段は、春日大社の角印が押されているんですが、三つの藤の花が丸く連なった「藤巴紋(ふじどもえもん)」をあしらって、外側に「第六十次式年造替拝御仮殿」の文字が巡らされているご朱印です。
参拝のいい記念になりますね。
■春日大社
奈良県奈良市春日野町160
0742-22-7788
【開門時間】夏期(4月~9月)6:00~18:00/冬期(10月~3月)6:30~17:00
境内無料(宝物殿等の拝観には別途拝観料)
駐車場有(1000台可)(1000円)