引き出しの底板の割れを

昭和30年代か、それ以前の家具は、あらゆる所が無垢材で作られているものが多いです。
今は、無垢材の家具と言っても、家具の背面の背板や、引き出しの底板は、合板を使うことが多いです。
合板は合板の利点があって、反りや割れの心配はないし、材料として均一です。
明治40年に、国内で合板の製造が機械化されたそうですが、まだまだ昭和10年頃の製品は、接着に問題があって剥がれやすいものだったそうです。
接着剤が改良され、家具用の資材として発展していくのは、昭和20年代半ば以降です。
昭和30年代あたりだと、合板より無垢材の薄い板を使う方が一般的だったのかも知れません。
最近、仕入れた昭和30年代ごろのチェスト。
引き出しの底板は、5ミリほどの厚さの檜の薄い板で作られています。
木は、製材されて、製品に加工されてからも、呼吸しています。周りの湿気を吸ったり、放出したり…。その都度、微妙ですが、膨らんだり縮んだりしています。そして、徐々に、全体が乾燥していきます。つまり、長い年月をかけて、縮んでいっているのです。
という訳で、無垢材で作られている底板は、割れていることが多いです。
1ミリぐらいの隙間なら、そのままでも使えなくないのですが、どれもこれも5ミリ以上もあり、補修することにしました。
真ん中で割れているものは、その隙間に新しい木を埋め込みますが、縮んでしまって、両サイドまで届いていないものは、一旦、底板を外して、新しい木を継ぎ足します。
割れているところを、切り口がまっすぐになるようにカットして、足りない分の木を足します。

 

縮んだ分を継ぎ足して、新しい木を貼り合わせました。

 

あとは、元の引き出しに底板を取り付けたら、補修完了です。