少し前。
あるお客さまから、修理のご依頼を受けて、無事にお客さまの元に帰っていったちゃぶ台です。
小さなお子さんたちのいらっしゃるご家族でご愛用のちゃぶ台。
ちゃぶ台としては、小さいので、お子さんたちが使うのにとても重宝しているそうです。
でも、お子さんが、天板の端に手をついて、体重を乗せちゃったことで、割れてしまったそうです。
実は、このちゃぶ台は、お子さんたちのお母さんのひいおじいさんが、昔、作られたもので、長い間、ご実家で眠っていたのを、若いご家族が引き継がれて、ご愛用されているとのことでした。
ひいおじいさんは、なんでも、とても器用な方で、木工職人さんではないけれど、いろんなものを作られたそうです。
修理しながら拝見しましたが、まるで本職さんが作ったような、構造、加工方法で、本当に職人並みに器用な方だったんだなぁとビックリです。
今は、合板が使われることがほとんどの、引き出しの底板ですが、昔の家具は、無垢板を薄く削った板を底板にしていました。
無垢板は、年月とともに、少しずつ少しずつ、収縮していきます。
この引き出しの家具は、今から50年以上前に作られたと思われます。
薄く削った板を、2枚横並びに貼りあわせて、幅の広い板を作って、引き出しの底板にしてあります。
その貼り合わせた継ぎ目が、板が縮んだことで剥がれて、隙間が空いてしまいました。
その隙間は、1.5ミリぐらいでしょうか。
少しの隙間ですが、引き出しの底ですので、具合悪いですよね。
そこで、この隙間をなくす修理にとりかかりました。
レトロなキャビネットには、扉にガラスが入っているものがよくあります。
先日、レトロなモールガラスがかわいい、小さ目のキャビネットが入荷しました。
まずは掃除して、それから、いろいろメンテナンスします。
ひつじ屋では、古いモノの味わいを、なるべくそのままにしておきたいと考えていますので、塗装もなるべくそのままにし、部分的に補修したりすることが多いです。
このキャビネットは、本体上部と正面だけ、後々に塗装が塗り重ねられているようです。
写真では分かりにくいですが、塗り重ねられ、厚くなった塗装が、一部剥がれてしまって、「補修」では難しいので、塗装し直すことにしました。
レトロな古いイスを張り替えるために、そのシートを剥がしていくと、昔の職人さんの張り方が分かるだけでなく、その材料からも、時代を感じることができます。
クッション材に、稲藁や芝草を使っていたことは、先日のスツールの張り替えの頁でも触れましたが、
古い回転イスの張り替えをするには、まず、底に取り付けられている、回転部分の部品を取り外します。
そ、それにしても、ヒドイ状態です。
金属はサビサビ。
布はボロボロ。ちょっと触ると、紙のように破れます。
こちらの小引き出し。
本体のダメージはほとんどないのですが、塗装が激しく剥がれていたり、引き出しの前板には、シールの剥がした糊の跡や、汚れなど、見た目のダメージが大きいです。
ひつじ屋では、元々の雰囲気を残して、塗装の補修をすることが多いのですが、この小引き出しに関しては、イメージチェンジすることにしました。
つまり、りペイント(塗り直し)です。
サビサビの状態は、ジャンクで、シャビーで、いい味わいです。
でも、屋外で使うガーデニング系の雑貨なら問題なくても、イスやテーブルの鉄脚が、サビサビだと、衣類にサビが付いてしまったりと、困りますよね。
そこで「サビ変換剤」です。
こちらは、ホームセンターでも販売されているニッペの「さびチェンジ」という商品です。
深いグリーンのシートが素敵な、レトロなスツールを仕入れました。
シートには全く傷みもなく、オリジナルのままにしておくことに決めました。
脚は、ナラ材で、これまたしっかりしていますし、いい味わいです。
回転する鋳物の金具は、サビサビですが、ネジ山もすり減っていないし、いい感じです。
年末から年明けにかけて、こちらのちゃぶ台を直していました。
直す・・・と言っても、天板が割れている訳でもなく、脚が外れている訳でもなく、構造には問題がないので、大がかりな修理は、必要ない状態です。
でも、長年使われてきたのは、一目瞭然。
天板の表面や角、脚など、至るところに細かいキズや、塗装の剥がれなどが見られます。
昔のミシンのイスが、いくつか集まったので、まとめて修繕しています。
今は、ポータブルな卓上のミシンが主流ですが、昔は、足踏みにしろ、電動にしろ、台付きのミシンが一般的でした。
そして、ミシンのイスがセットになっていたのです。
40年ぐらい前の、ベビーチェアなんですが、この形は、定番のようで、今でも同じ形のものが販売されています。
対象年齢は、約6カ月~3歳ぐらいまでだそうです。
シートが、かなり汚れてしまっていて、ちょっと破れたりもしているので、新しくします。
古い回転椅子(ドクターチェア)を引っぺがして、
中のばねを吊り直し、
クッション材も入れ替えて、
あとは、仕上げの上張りをすればおしまい…でしたが、
ここでしばらく作業が止まっていました。
古いモノは、傷んでいたり、汚れているものがほとんどです。
長い間、使われてきたから…
長い間、使われずにどこかで眠っていたから…
理由は様々ですが、それだけの時間が経過しているのですから、当然ですよね。
新しいものって、魅力的です。
魅惑的で、ついついいろいろ欲しくなってしまいます。
でも、古いものって、新しいものにはない、味わい深さがあって、たまりません。
時間の経過によってできた本物の味わいは、作ろうと思って作れるものではないですよね。
昭和レトロな家具と雑貨
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