ガラスのキズ

昭和の初めの頃や、大正時代のものというと、50年以上、いえ、100年近く前のものということになります。
元の持ち主がお使いの時には、丁寧に使われていたものも、長い長い年月が経過するうちに、キズが付いたり、変色・褪色したり、壊れてしまったり…。
ガラスは、割れずに済んでも、小さなキズ、細かい擦りキズが、表面に刻まれることが多いのです。
こちらのモールガラスもそう。
写真の真ん中辺りに、細かいキズが白く写っているのがわかるでしょうか?
ひとつひとつのキズは細かいものですが、密集しているためか、白く曇って見えます。
ガラスに限らず、古い道具に付いたキズは、道具として頑張ってきたシルシとして、あえてそのままにしていますが、やっぱり、「ちょっとなぁ…」と思うものは、目立たないように補修しています。
先程のガラスのキズも、少し目立たないようにすることにしました。
そこで、使うのが、この「キイロビン120」です。
パッケージには、油膜クリーナーとありますが、ガラスの研磨剤である酸化セリウムが、主成分なんです。

 

 

 

 

 

 

酸化セリウムは、ガラスの主成分である二酸化ケイ素と化学的に反応して、表面を滑らかにするのです。

キイロビンを、付属のスポンジに付けて、擦ります。ひたすら擦ります。
腕がだるいっ!でも、まだまだ、擦ります。
キズの深さにもよりますが、白く曇った感じだったのが、目立たなくなりました。
(最初の写真との違いが、わかるでしょうか?)