明治20年頃より使われるようになり、大正から昭和初期にかけて、全国的に普及した「ちゃぶ台」。
それまでは、個々の食器を、それぞれ箱膳に収納し、食事の際もそれぞれ、膳を使っていましたが、明治に入って西洋建築が建てられ、洋風テーブルが使われるようになり、家庭でも座卓を囲んで食事をするスタイルに変わってきました。
ちゃぶ台の多くは、脚を折りたたむことができ、使わない時は、コロコロと転がして家具の隙間などに収納します。
狭い住宅に、何世代も同居していた時代です。布団を敷く場所を確保するために、サッと仕舞えるちゃぶ台は、とても合理的な家具だったんですね。
ちゃぶ台の脚の構造も様々。
こちらのように、金具を使ってあるのは、どちらかといえば廉価版でしょうか?
「ちょっと安っぽいなぁ」なんて声をいただくこともあるのですが、庶民の家具である「ちゃぶ台」に高級品はなくて当然では⁉︎というご意見にも一理あると思っています。
確かに、布団を敷く場所を作るために、ちゃぶ台を片づけなければならない住宅事情のご家庭の家具なんですから、ちょっとチープなぐらいが丁度いいようです。
サッと仕舞えて、サッと取り出せる、便利な庶民のちゃぶ台は今も人気です。